昨日、母が１つの信念のために近くのお宅を訪問した。
齢74。歩いて、歩いて。
元気なようだが、やはり足元は昔ほど快活ではない。
ここ50年以上１つの信念を生きてきた。
そう。１つの信念で生き抜くのは容易ではなかった。
時には、罵詈雑言も浴びせられてきたそうだ。
そんな敵のような存在をも味方にする戦いをしてきた74歳になる彼女は、今まで紡いできた繋がりを次世代に譲渡したいようだった。
頭を下げる小さくなった後ろ姿の向こうには、恐縮にもこちらに頭を下げ返す母の紡いできた証であるご友人の笑顔があった。
母の曲はいろいろあれど、私は送りたい。
幼な子抱きて汗流し
尊き元初の使いをば
果たせし君の晴れ姿
誰か讃えむこの母を
ああ悲しみもいざ越えて
母の祈りはけなげにも
嘆きの坂の彼方には
城の人々笑顔あり
