私はこう思うわけです。
意外と大工さんには手を抜く人が多くて、
例えば、ちゃんとボードビスが下地のネダにあたっておらず、ボード自体が暴れていたり、ボードの角がガタガタだったり、ちゃんとすればできるはずのことをしないで次の職人に渡すのです。
なぜそれで代金が貰えるのか。
それは、次の職方のクロス屋さんがそれらをケツ拭いしているからに他なりません。
パテというボードの継ぎ目にできた凹みを平らにする下地調整材がありますが、大工はそれを「魔法の粉」と称して揶揄します。(石膏の粉に水を混ぜてつくるのがパテなため、最初は粉末だからです。)
最近クロス屋さんが動画を上げていたりするわけですが、ボードの暴れや、ガタガタにどう対処するかなんてことをあげつらっているのをみて、私は
「気持ちはわかるが、それは大工にやってもらうべきことであり、そこで対処をすると、大工はやってくれるものだと思って甘えてしまうのではないか。」
と思うわけです。
それは、クロス屋のその場凌ぎのためにはなるかもしれないが、建設業界全体の根幹を軟弱にしてしまうのではないかと思うわけです。
たかが下地かもしれないが、下地が悪いと使うパテ量だって変わってくるものです。
パテだってタダではないのです。誰かが泣くのです。
しかし、それを知ってか知らずか、対処してしまうというのは、結局のところ、クロス屋が大工を甘やかした結果が自分に返ってきているだけなのです。