人の一生なんざ短いもんです。
だから、自死してはいけないと思うのです。
私の父親はおそらく死にたくなかったと思う。
白血病ではあったが、わざわざ子どもたちが集えるようにと、無いお金をかき集めてちょっとした土地を購入し、家を自分で建てようとしていた。志半ばであったが、きっと楽しんでいたに違いない。
まあ、私の父の話は置いておいて、とにかく自死は、そういったまだ生きたい人を蹴落とし、本人の関係者の喜びも奪ってしまう。
人って不思議なもので、ルーティンのように同じ日を繰り返しているときは、何気なく出来ていた日々が、非日常になると壊れてしまい、すべてに億劫になってしまう。
だから、人って結局、戦うしかない生き物なのかもしれない。
戦うと言っても誰と?って話になるが、いつもの如く自分とである。
弱い自分、情けない自分、傲慢な自分。
他人ではなく、結局自分が一番強敵だ。
自分の弱みをよく知っているのは他ならぬ自分自身だからだ。
ハードル競走も助走があって初めて飛べるが、歩いてまたは止まってハードルの目の前でジャンプしてもなかなか越えられない。
人って詰まるところ、回遊魚みたいなものか。
止まると死んだ魚のようになってしまう。
しかし、走りすぎても、追い込まれて身体や心がやられてしまう。
やはり、バランス感覚が必要になってくるのか。
自死した人たちも先行き不安を身で感じてしまい、立ち止まってしまったのかもしれないが、新たな価値観を見出すことができならば、また違うハードルに向けて、新たな助走に入れたのかもしれない。